生産者
Casian Vasile (カシアン ヴァシレ)
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その無骨で分厚い手には彼の農夫としての歴史すべてが凝縮されているかのようです。あまり多くを語らない実直な人です。ブドウの栽培にかけては、ここモルドバで一番大きな村、Carpineniでも彼以上に知識と経験がある人はそう多くはありません。
ブドウの栽培には様々な行程があるのですが、中でも枝きりは大切な仕事の一つです。単に長さをそろえたり間引きをするだけでなく、たとえば新芽が出る季節にはこの年になるブドウの房を見越して隙間を空けてあげる。
そうすることで適度な日光が当たり風投通しが良くなり質の良い糖度の高いブドウが出来ます。それをすべての木に対して一つづ適切な処理を施すわけで、必然的に畑全体の収穫量も上がるわけです。収穫後にも伸びた枝を切ってあげないといけません。放っておけば翌年はたくさん収穫できるかもしれませんが、翌々年には何もとれなくなってしまいます。このあたりの調整も知識と経験が必要な所以です。
近代機械化された西側の農業と違い未だこういった手作業が残っているからこそ、むしろ丁寧な手入れが出来る。これもモルドバのワインが特別な理由の一つでしょう。
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ブドウ栽培およびワイン醸造の専門的な知識は、彼がTHE COLEGE OF VINICULTURA and POMICULTUREという学校で学び、そのごコルホース時代に農作業の監督者としてのフィールドワークの経験によって培われました。
醸造行程も伝統的な木製の器具を使った完全手作業です。ワインができあがるまでの処理は書ききれないほどあるのですが、これまた彼のさじ加減一つで味が変わってしまいます。
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モルドバ人にとってワインが無い生活は考えられないほど重要で、それに漏れることなくVasileさんもこよなくワインを愛している一人。ですから収穫が終わってワインが仕上がる頃になると1年間の労働を慰労するかのごとく朝から晩まで近所の仲間と飲み続けるようです。
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